鹿児島市中央卸売市場 青果食品協同組合

南商店

久保商店主今村愛子さん「今日まで女手一つでやって来られたのも、市場のみんなのおかげです!」

この16年間、鹿児島中央駅の朝市商店街近くで、一人で青果・食品店を営んで来た久保商店の店主・今村愛子さんは、仕入れの仕方から競りの技術、仕入れた荷物の運搬まで、市場の競り仲間から手ほどきやサポートを受けたことに、心からの感謝の想いを込めてそう語る。

愛子さんのご主人は八幡に本社がある大手窯業会社の研究所に勤めた後、大阪営業所のバリバリの営業マンとして活躍していた41歳のころ、昭和59年に原因不明の病に倒れ、妻子を残して旅立ち、愛子さんが二人の子どもを抱えて実家の久保商店に帰ったのが、27年前のこと。

中央青果市場で競り仲間の先輩と 愛子さんが父親の青果市場での仕入れを手伝うために運転手として1年ほど市場通いをする最中、頼りの父親が心臓病を患い79歳で他界。

その後、高齢の母親の世話をしつつ、久保商店の娘として市場の仲間に快く受け入れてもらえたものの、全く未知の世界に女手一つで飛び込んだ愛子さん。

「競りのときに数字のサインとして出す指の格好が決まらず、提示した競り値が大分違うことも度々あり、何から何まで市場の先輩たちに教わって、なんとか今日までやって来られました!」と笑う愛子さん。

近年は、母親の介護の傍ら、早朝の市場に仕入れに出かけ、店の小売りや納め物をこなす日々が続く中、2年前に最愛の母親も87歳で旅立ち、一時はかなり気を落とし積年の介護疲れにも襲われたものの、今は息子・娘夫婦のあわせて4人の孫の顔を見るのが唯一の楽しみになっているとか。

今村さんに気さくに声掛けしてくれる市場の男性は頼もしい!「県内で警察官をしている息子の嫁と孫二人が泊りがけで遊びに来る度に、中央駅の観覧車に皆を連れて行って、一緒に遊んでくるんですよ!」

馴染みのお客様が「愛子さん!」「愛子さん!」と、買物がてら会話を楽しみに店を訪れたり、市場の競り仲間と「競り」を競ったり、元気のいい挨拶を交わしたり、情報交換をしたり、青果物を譲り分けたりの毎日が、愛子さんの元気の素になっている模様。

「ほんとにきついときは、病院で点滴を打ってもらったり、店を閉めて仮眠を取ったりして、何とか大病を患わないように心掛けてはおります!」と語る愛子さん。

 

まだまだ還暦過ぎのバリバリの現役青果商である愛子さんは、「そうですね。あと5~6年はお店をやっていけると思っていますけど、そのあとはゆっくりもしたいですしね」と語る中にも、今では楽しみ、生き甲斐となっている市場通いとお店でのお客様との会話を、全て失ってしまうことにも一抹の不安がよぎる。

現在、店頭での馴染みの固定客への小売り以外に、6割かたの納め物を扱い、食堂や学校のほか天文館の料理店、近所の高齢者のお宅への定期的な配達なども重要な仕事となっている。

 お店のこだわりは何かと問えば、「納め物は、その日仕入れたものを必ずお届けするように努めています。店売りの場合でも、新しいものからお客様に勧めるので、お客様のほうからそんなに新しいものでなくていいのよと気遣っていただきますが、そんなときはちゃんと値引きしてさしあげます!」

人に甘えないのが、今村愛子さんのモットー!さらに、「商品の鮮度劣化の足が速いものなど、傷む前にさっとお客様に差し上げるようにしているんですよ!」と語る愛子さん。

青果物は鮮度が命なだけに、正直にひたむきに、真心でお客様に接する店主・愛子さんがお客様から慕われるのも、頷けるというもの。

「市場に行くことが私は楽しいし、市場は女一人でも楽しく働けるところだと思います。組合のいろいろな行事や研修に参加できるのも楽しみ。でも、女だからと言って、『人に甘えない!』『人に頼らない!』という気持ちが一番大事だと、最近は思えるようになりました。こんなこと言って、この後、市場で誰も手を差し伸べてくれなくなったら、本当に困りますけれどもね(笑)」

「少なくともあと5~6年は頑張りたいと思っています!」と話す店主・愛子さんも、生涯現役で末永く頑張っていただきたい女性組合員のお一人だと、筆者は強く感じました。

 

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