鹿児島市中央卸売市場 青果食品協同組合

くだものの店 カコイ 鹿児島一のくだもの贈答品の暖簾を守りつつ、一番いい品、間違いのない品をお客様に提供

くだものの店カコイ

 「『美味しかった!』のお客様からの一言が、一番の幸せ!」と語る店主の山元六雄さんが、奥様の英子(ふさこ)さんとともに青果と食料品を商う山元青果を創業したのは昭和51年11月。

鹿児島最大のスーパー・タイヨーで働いていたお二人は社内結婚し、4歳と2歳の幼子を育てるころ、「そろそろ独立しようか」と先に切り出したのは奥様だった。

山元六雄さん 夫の六雄さんはタイヨーの社員時代、鹿児島市中央卸売青果市場の仕入れ担当者として青果物のことは熟知しており、当時、店舗毎に仕入れ担当者が存在し、日々の売上を競っていたとのこと。

ご夫婦での脱サラ創業直後は、先達の同業者の商いの勢いに押され続けたが、「お父さん、安く仕入れたものは安く、高く仕入れたものも高いなりに控えめの値段を付けて、正直、真っ直ぐな商いをしよう!」という奥様の提案をお店の基本コンセプトとした。結果、タイヨー時代の売上に優るとも劣らない個店売上日々8万円~10万円を達成!

「うちの奥さんは、お客様が欲しいものがその時なく、あとで現品を仕入れてきた時など、お客様の家まで届けて交換してくるくらい正直なお方で、うちの店は100%奥さんで持っています!」と、店主六雄さんは笑う。

 創業5年間くらいは小売り100%で商いを続け、その後青果物と食料品など業務用の納め物を扱い始め、現在の年間売上構成は、納め物7割、小売り3割。また、扱う青果物の8割が野菜で、果物は2割ほど。売上は、ここ20年間、ほぼ横這い状態とのこと。

山元青果こだわりのトマト 西伊敷六丁目の岡之原市場内にある山元青果は、朝7時半から夜7時半ころまで営業し、店主六雄さんは朝4時半に市場に出向き、100%前取り方式で仕入れ、朝8時半には店に帰り着く。

「病院・養老院・特別養護施設など業務用の青果物は納め先の栄養士の方々が市場の相場をよくご存知なので、各ニーズに則した品揃えをし、一方小売り用の青果物は固定客の本物高級志向などに合わせて他のスーパーには置いてないような、最高級品に絞った青果物の仕入れに努めている」とのこと。

確かに、店主こだわりのトマトだけでも7種類くらいが並び、最高級の原木椎茸など、食通のお客様好みの店でもあるようだ。

「お客様が何を欲しがっているのか、よく観察するし、固定客には『何が欲しいの?』『何が食べたいの?』とおしゃべりしながら良く聞きますね」と語る店主六雄さんは、お客様が何でも話したくなるような人懐っこいベビーフェィス!

山元青果こだわりのトマト山元青果こだわりのトマト

 

 

 

 

 

「よく『売れなくなった』と耳にしますが、それは『売らなくなった』という意味だと思います。どんな時でも一工夫すれば、やり方によっては『必ず売れる』ものだと信じています!」と店主六雄さんはきっぱり!

即、「これを試してみてください!」とお茶請けに出されたのが店頭に置いてある試食用の『らっきょうの砂糖漬け』。

「美味い! こいがあれば、今夜のダイヤメ(晩酌)が楽しみ!」と、筆者も納得できるほどの旬の新鮮な大型のらっきょうが、昆布や鰹節や氷砂糖とともに大きな瓶にぎっしり入って900円。

『らっきょうの砂糖漬け』とカット野菜店主、曰く「固定客からの要望で、大きなカボチャをお正月の煮物用に小さくカット細工してさしあげたり、8~10種類くらいのサラダ用のカット野菜を準備してさしあげたり、その他焼き茄子や、湯がいたほうれん草やじゃがいもなど、青果物の素材にちょっとだけ手を加え、一工夫するだけでお客様に喜んでいただけ、付加価値としての手間賃を売上計上できる訳です」。

こうした半惣菜的な新鮮な野菜はお年寄りだけではなく、若いお客様にも喜ばれ、小売りの商いが細る中、個店の楽しみの一つになっているようだ。

 奥様の英子さんも、煮物用のカボチャのカット細工をさりげなく実演しながら、「お客様が今日要るだけ里芋やごぼうなども店頭でさっと皮剥きしてさしあげ、料理の仕方や食べ方なども、一人ひとりのお客様と会話しながら伝え合うことができ、家庭でも野菜が余ったからといってまずは捨てないこと、そしてそれを半惣菜にしてしまう工夫など、お客様との会話や情報交換は尽きません」とのこと。

 店主六雄さんは青果食品協同組合の理事でもあり、組合の役割について尋ねると、「組合が組合員さんを支えられることは、微々たるものですが、個々の組合員さんは案外孤独で、例えば自らの商売の成功例の殻に閉じこもってしまう傾向があると思います。それを打破し、商い上の悩みや想いも外に出して、普段着で語り合える場として組合の存在や役割があるのだと感じています」とのこと。

細工野菜

また店主、曰く「お客様との真剣で優しい接し方と繋がり、人との繋がりが商いのすべてだと思います。昔は市場の競り人たちと組合青年部との懇親会など大いにやったものです。最近はそうした機会もなくなっているので、青年部のみなさんに早く復活してほしいと願っています」。

 山元青果の元気の源でもある店主六雄さんの趣味はと問えば、「飲んで唄うカラオケと睡眠、そして盆栽と日曜大工!」とか。

 徹底した在庫管理や帳簿管理で、仕入れの無駄、経費の無駄を徹底的に省く店主六雄さんは、ベビーフェイスの奥で観察眼や様々な知恵を働かし、アイデアを練り即行動に移す知将タイプの青果商だということがよく分かった次第。

 


 

 


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